こんにちは!
Jumbo三宅(@sato_ds_hkosk)です。
ここ数年のスタンダードをみてふと思ったことがあります。
それは、
「最近のスタンダードの選手って背が低くないか?」
これは立ち方とかではなく
純粋に身長の話です。
日本でもジュニアからダンスを始めている人たちが
いまはアマチュアの第一線で活躍しています。
かれらはダンス歴は長く素晴らしい踊りをしますが、
高校生や大学生の人も多いとおもいます。
初めはジュニアから来ている人は若いからまだ背も低いのかなと
思っていましたが、よく考えるとそのくらいの歳なら
背が高い人がいても不思議ではありません。
この前のアマチュアスタンダードを見ていても
印象としては背が高い人と低い人の割合は
低い感じの人の方が少し多く見えました。
もちろんどこからが背の低い人でという
切れ目はないのであくまでも印象です。
今日はこの身長とダンスについて
僕なりに考えてみます。
昔は背が「高い=モダン」だった
僕がダンスを始めた頃は
背が高ければスタンダード(当時はモダン)と言われていました。
逆に背の低い人はラテンということです。
理由は背が低いとスタンダードで勝てないからと言われました。
この考え自体がかなり問題がありますが、
当時はダンスといえばスタンダード、
なおかつスタンダードといえば背が高くないとダメ
といった風潮が少なからずありました。
確かに当時のスタンダードはホールドやボディもあまり動かず
すい〜っと移動していく感じだったので
背が高い方が見栄えがしたのもわかります。
ただ僕の同級生はラテンを希望する人が多く
世界の舞台でもブライアン・ワトソンやリック・バレンゼラなど
比較的背の高い(ように見える)人が出てきていたので
空気は変わってきていたのかもしれません。
それでもスタンダードは背が高い方が有利で
背の低いスタンダードの人はあまり上位にいませんでした。
イタリアから新しい風が吹いてきた
それが変わったように感じたのは
イタリアからスタンダードのいい選手が
たくさん出てきた時です。
その前にもルカ・バリッキ(この人はそんなに大きくないけど背が高い印象がある)や
アウグスト・スキアーボ(この人はでかい)など
イタリアの素晴らしいダンサーはたくさんいました。
ただある時から背が低く機敏な動きをする
ダンサーが次々と出てきたのです。
・ファビオ・セルミ シモーナ・ファンチェロ
・マッシモ・ジョルジアーニ アレッシア・マンフレディーニ
・ドメニコ・ソアレ ジオイア・チェラソリ
などです。
とくに僕にとって衝撃だったのが
彼らはみたこともないルーティーンを
すごいスピードで最も簡単そうに踊るのです。
そしてあのポーカーフェイス…
彼らのダンスはまさに魔法のようでした。
この辺りからスタンダードも新たなる方向に
進化していき始めたように思います。
ある種の完成形が生まれる
このイタリア出身ダンサーの中で
ミルコ・ゴッゾーリ アレッシア・ベッティ組が
でてきました。
彼らは見た目ほど大きくないですが、
踊りのスタイルとしては
背が高くみえる方だったと思います。
しかしその動きは機敏でスピーディー
少しのブレもありません。
このころスタンダードにもフィガーの複雑化の波がきていました。
これは背の低いダンサーが持ち込みましたが
それが標準となって背の高い人にも広がっていきます。
しかし背が高いダンサーにとって
切り替えやスウェーの変化が多いダンスは
体のブレを生み踊りこなすのが難しかったように思います。
その中でミルコ組は背の高いスタイル(見た目)と
背の低い人の機動性を両立させたダンスを作り上げ
新しいスタンダードのスタイルを確立したと思います。
次はクラシックなスタイルに
そしてこの先はどうなるのだろうと思っていたら
アルナス・ビゾーカス カチューシャ・デミドヴァ組が
タイトルを取りました。
彼らはその複雑な踊り方とは一線を画して
大きな身長を生かしたシンプルな踊り方で
優勝しました。
もちろんテクニックは進化しているので
昔とは全然違いますが、スタイルとしては
クラシックなイメージに近いと思います。
ここからスタンダードはいろんなスタイルが認められる
自由な時代に入ったと思います。
クラシックにまっすぐ立って踊るもよし。
ボディをふんだんに使ってアクティブに踊るもよし。
背の高さやスタイルに関係なく
自分の踊り方で勝負できるということだと思います。
体型にあっているかに注意
ただ自分がこう踊りたいというスタイルが
自分に合っているかは別問題です。
趣味で踊るだけならそれでも構いませんが、
競技などで勝負する人は
自分の体型と踊りのスタイルの相性も
考えなければいけないと思います。
好きな服と似合う服が違う時があるのと同じです。
もしそれが一致する人はとても幸せです。
でも必ずしも
踊りたいスタイル=似合うスタイル
ではないので自分たちの身長や
見た目、身長差などに合わせて踊り方を
選んでいくことが大事だと思います。
あとはその選んだスタイルを信じるのみです。
〜まとめ〜『スタンダードは踊り方の選択肢が増えてきた。』
関連記事
お問合せご意見、ご感想などはこちら