こんにちは!
Jumbo三宅(@sato_ds_hkosk)です。
スタンダード、とくに競技ダンスに関して
踊りが立体的だとか平面的だというような話をする時があります。
上手な人を見ると何となく立体的と言われればそう感じます。
また自分のダンスを見ると、何となく平面的と言われれば
そういう感じもしてきます。
一般的に立体的はいい意味で、平面的はあまりよくない意味で
用いられます。
この違いはどこから来るのでしょうか。
ここは明確な違いを言葉にするのは難しく
人によって考え方も違うと思います。
今回は僕が個人的な経験と考えから
立体的なダンスについてお話しします。
立体とは?
UnsplashのAdam Jíchaが撮影した写真
まずそもそも立体とは何でしょうか。
立体とは縦・横・高さという3方向の広がりを持ち
有限な大きさの空間、あるいは物体を指します。
私たちが認識できる空間は
基本この3次元なので、これが立体ということになります。
平面は縦・横の2次元で構成される部分です。
私たちは3次元を認識して生きているので
その次元にあっていれば立体的で広がりを感じ
それより少ない次元は平面的で物足りなく感じるのでしょう。
立体的なダンスとは?
UnsplashのDavid Hofmannが撮影した写真
ダンスに関してもいくつかの要素が同時に存在し
それぞれがうまく組み合わさっていると
立体的に見えていいものに感じるのだと思います。
ただその要素がどんな組み合わせになるかが
ダンスがよりよく見えるために重要でしょう。
基本の意味では縦・横・高さという
長さ(距離)という共通点がありながらも
方向の要素が全く違うことが立体的な感覚を作っています。
たとえ3つの方向があっても扇子のように
前・横・斜め前みたいになると
それは立体的にはなりません。
また身長・体重・年齢のように
全く共通点がない3つの要素を集めても
それはそれで立体的な感覚にはならないでしょう。
何を組み合わせるかはいろんな選択肢があると思います。
とりあえず僕が思いつく組み合わせを
3種類お話しします。
その1|立体的な姿勢
UnsplashのDavid Hofmannが撮影した写真
まずはホールドを組んだ姿勢においての
立体を考えてみましょう。
通常ふたりはまっすぐに立って向かい合います。
人間は概ね棒状なので
この状態では縦方向の広がりしかありません。
次に腕を横に広げます。
こうすると縦方向に加えて
水平な横方向の要素が加わります。
ただこれでも前や後ろから見ると大きく見えますが、
横から見ると平面なので、棒状に見えてしまいます。
ここでさらに前後方向に広がりを出します。
先ほどまでの縦、横はお互いに自分の中で作ることができます。
ただ前後はふたりで協力する必要があるでしょう。
スタンダードはボディがコンタクトして踊るため
みぞおちから上の部分が前後に離れるように姿勢を作ります。
こうすることで全体として下が狭く、上が広がった
円錐のような形ができることになります。
こうすることで立ち姿が立体的になると思います。
その2|立体的な動き
UnsplashのAhmad Odehが撮影した写真
次に動きにおける立体的感覚です。
動きの種類に関する分け方は
いくつか考え方があるでしょう。
ここでは2つご紹介します。
(1)前後、左右、上下の3方向
まずは前後・左右・上下の動きです。
これはスイングダンス特にゆっくりなワルツやスローで
効果的な考え方です。
フロア上を踊っていく時に
前後・左右だけでは平面的な動きになりやすいです
そこで上下つまりライズ&フォールを取り入れることで
フロア上の空間全体を移動しているようになるでしょう。
とくに上下動が少なくなると、
どんなに前後左右に動いても平面的な印象は拭えません。
かと言って上下動を多くするとその分
前後左右の移動料は少なくなります。
立体的に見えるためには、そのバランスを考えることが
結構重要です。
(2)移動・回転・スウェーの3種類
もうひとつの考え方は移動・回転・スウェーです。
これは3つのスイングということもあります。
移動は重心が前後・左右・上下に動くことです
つまりさきほどの(1)です。
それをひとまとめ移動とします。
そこに回転の運動とスウェー(傾き)という
2つの要素をプラスするということです
例えばワルツのナチュラルターンを考えてみましょう。
ステップだけで踊るものと、世界チャンピオンが踊るものは
足型、タイミング、音楽全て一緒です。
それでも見た目は全く別のものに見えるでしょう。
これは足型だけで踊ると、移動と回転の関連性が少なく
またスウェーもほとんど必要ない動きになるため
全体として3つの動きに統一感がないからだと思います。
それに対して世界チャンピオンのような人は
移動から来る勢いをつかて回転し
その回転をスウェーでうまく吸収してエネルギーを回収します。
このように違う要素がうまく組み合わさり
関連性が出てくるため立体的になるのだと思います。
その3|立体的なタイミング
Unsplashのnoor Younisが撮影した写真
最後は時間軸です。
時間も現在という1点だけを踊ると
音楽に正確にあってはいても立体的とは言えません。
ただ時間の流れは一直線なので
先ほどまでの3種類(3軸)というものとは少し違ってきます。
キーワードは時間差です。
もしカウント1で右足前進というときに
綺麗な姿勢で右足を出すと同時に乗ると
カウント1という現在だけを踊っていることになります。
ただ足を着地してそこからボディが後から乗ってくれば
そこに少し時間差が生じます。
これが時間軸としての幅を演出して
立体的な印象になると思います。
さらに足の着地→ボディが足の上にくる→頭がさらに後からくる
といったように少しボディのしなりを使って時間差をつけると
さらに時間を利用した立体感を作ることができるかもしれません。
これは自分の中での時間軸ですが、
ダンスはふたりで踊るのでそこに時間軸を作ることもできます。
ひとりが動いてからもうひとりが動くことで
ふたりの間に時間差を作ることもできます。
こうするとさらに時間差ができて
今流れている音楽の過去・現在・未来を
踊っているように見えるでしょう。
過去は余韻として表現されます。
現在はベーシックタイミングとして時間軸に基礎になります。
未来はリードやプレパレーションなど次の動作を想像させるものとして表現されるでしょう。
これらを組み合わせることで
様々な時間軸が絡み合いより立体的になっていくと考えています。
時間に関しては3つの要素の組み合わせとは限りませんが、
ひとつひとつは基本のテクニック
UnsplashのAaron Burdenが撮影した写真
こうお話ししてくると
「あ〜なんか難しそうだな〜」って思う人もいるでしょう。
しかしひとつひとつは基本的な技術です。
それをどう組み合わせるかで
とても不思議で魅力的なムーブメントになるのです。
より立体的になるためには
ひとつひとつのテクニックを確実にしていくことが
結果的に1番の近道だと思います。
〜まとめ〜『ベーシックテクニックの組み合わせで楽しいダンスに』
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