こんにちは!
Jumbo三宅(@sato_ds_hkosk)です。
UnsplashのJan Padi
llaが撮影した写真
スタンダードにおいて回転やカーブをするときに
ひざを捻る(ねじる)みたいな表現がよくあります。
タンゴウォークやファーラウェーの最後のピボットなどの場面で
よく出てくるように感じます。
このひざを捻るという話は
英語でもありスクイーズ(squeeze)といって
割とよくある表現だと思います。
今日はこのひざを捻るということについて
僕なりにお話しします。
大前提:ひざは捻れない
UnsplashのDiana Polekhinaが撮影した写真
まずは体の構造としてのひざを考えてみましょう。
社交ダンスレベルの話で言えば
ひざは蝶番のようにパタンと折れるように動きます。
股関節のように回ることはありません。
もしひざがねじれてしまうと
たぶん普通に怪我をするでしょう。
むかしプロレスでドラゴンスクリューという技がありました。
相手の足を掴んで捻るようにすることで
相手の膝にダメージを与えるということになっているものです。
もちろんプロレスなので体も鍛えているでしょうし、
色々あるでしょうから、本当にいきなり再起不能にはならないと思います。
ただダンサーはそこまで鍛えていないので
ひざは正しく使わないと怪我をする可能性は大きいと思います。
まずひざは蝶番のように二つ折りになるようにしか
動かないことを確認しました。
ひざを捻るとはなんだ?
UnsplashのNikola Murnieceが撮影した写真
ではひざを捻るという動作は
どういうことなのでしょうか?
これは大きく分けて2つのパターンがあると思います。
(1)ピボットするとき
(2)股関節が回転しているとき
それぞれお話しします、
(1)ピボットするとき
まずピボット、とくに後退するときに
よくひざを捻る的な言葉が使われるように感じます。
たとえばスピンターンの男性の1歩目(ナチュラルスピンターンとして考えるなら4歩目)は
左足後退してピボット、つまり足を回転させます。
このスピンの時に左足を回転させるかどうかはまた別の部分で議論はあります。
が、とりあえず今回は教科書通りピボットがあり
男性の左足が回転するとして話を進めます。
このときは左のひざを少し内側に向けるとか
内側に捻るという言葉が出ることがあります。
どうように左回転のピボット、スリップピボットなどでは
右足後退してまわるときに右ひざを内側に捻るように
言われることもあるでしょう。
このように後退のピボットではわりと「ひざを捻る」という表現が
出やすい傾向があるように感じます。
(2)股関節が回転しているとき
つぎは股関節の回転がある時です。
一番パッと思いつくのはタンゴの立ち方です。
まっすぐ立ってちょっとひざを左に捻るようにすることで
体が左を向きタンゴの形になります。
あと女性のクローズドプロムナードの3歩目なども
右足のひざを内側に入れるみたいな表現があるかもしれません。
このようにわりとタンゴではよく出てくる表現なのかもしれません。
確かに「ひざを捻る”感じ”」はするけど…
UnsplashのJason Strullが撮影した写真
確かに僕もこれらを踊る時に
ひざを捻るような感覚がするのもわかります。
ただ大前提としてひざは捻ることができない、
正確にいうと捻ると怪我をしてしまうというものがあります。
そのため先ほどの(1)と(2)のときに
どのようなことに注意すればいいかをお話しします。
(1)ピボットする時はボールを滑らせて回転する
まずピボットではしっかりとボールを滑らせることがポイントです。
みなさんも経験あると思いますが、
新しいシューズでピボットした時に
靴が滑らなくてピボットしにくいと思います。
ほかにもラテンのすぐ後にスタンダードの競技会があったりすると
床がひまし油で全く滑らない状態で
ピボットできないなどもあるでしょう。
このような状態に自らなってしまうと
ひざに負担がかかります。l
ピボットする瞬間は
ひざや股関節は角度を決めて筋力で固定しておきます。
そして足の裏だけを回すことで
体全体がくるっとまわります。
ひざに緩み(曲がっているという意味ではなく固定されていないということ)があると
そこが回ってしまいます。
このときに「ひざを捻るぞ!」と思っていると
避けにひざが回転するように思ってしまうため
負担がかかり怪我の原因になります。
とくにひざが曲がっている低い状態でピボットする時は
注意が必要です。
この時はひざを捻るのではなく
「ひざの向きをつま先の向きと一緒に変える」
というのがいいと思います。
(2)股関節の回転がある時は…股関節で回転する
当たり前ですが、股関節で回転するときは
股関節で回転します。
それ以上でもそれ以下でもありません。
ただ股関節で回転するのは少しイメージしにくい部分もあるため
わざとではなくてもひざを捻る運動で代用してしまいがちです。
これは無意識で起こるためより怪我の可能性が高まります。
とくにタンゴウォークなどはカーブをして進みます。
ただピボットとは違い足が回転することはありません。
そのため進行方向と足やひざの向きが一致しないため
なんとなくそれを合わせようとしてしまう傾向があるのだと思います。
これを防ぐためにはいくつか方法があります。
まず初心者の場合はカーブをすることを極力避けることです。
初心者の段階で進行方向がカーブする必要はなく
むしろまっすぐに進むことを身につけるべき段階だと思います。
そのためタンゴウォークでもカーブする必要はないと思います。
最初から正しく覚えたほうがいいというのもわかりますが、
個人的にはカーブは結構難しい技術だと思うので
後から教えるようにしています。
もうひとつはひざと進行方向は
一致しているとは限らないことを理解することです。
私たち人間は通常99%以上をまっすぐ前に進んでいます。
そのためカーブや横、斜め方向などに進むときでも
なんとなくひざや足を進行方向に合わせてしまいがちなのだと思います。
ただ向きを合わせてしまうと先ほど言ったように
ひざに無理がかかります。
ダンスの場合はいろんな方向に進むので
ひざはつま先と同じ方向に曲がるか伸びるしかないことを
しっかりと頭とひざに教えましょう。
ひざは捻らない!
UnsplashのPeter Conlanが撮影した写真
社交ダンスをするにおいても
体の構造から逃れることはできません。
もちろんひざの柔軟性も人それぞれなので
多少捻れてもなんともない人もいるでしょう。
ただ一般的にひざはほとんど捻る動作はできないため
捻るような「感じ」がするだけで本当に捻ることはありません。
多くの場合股関節の働きがポイントになると思います。
もし踊っていてひざが捻れる感じがする人や
ひざを捻ってと習った人はダンスがひとつ上の段階に
上がろうとしてるのだと思います。
なのでその教え方やあなたのダンスが間違っているわけではなく
ちょっと理解の仕方を気をつければきっと新しい世界が見えるでしょう。
〜まとめ〜『ひざはつま先と一緒の方向に』
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