《社交ダンス》身長差に負けない!凸凹カップル奮闘記

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《社交ダンスLab》スウェーの角度についての考察 【必要な傾きと見た目の傾き】

こんにちは!

 

Jumbo三宅(@sato_ds_hkosk)です。

 

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スタンダードダンスのうちタンゴを除く4種目には

スウェーという動作があります。

 

これはスイングや回転に伴い体全体が傾くことです。

 

今日は本当のスウェーはどのくらいあるのか

また大きく傾いている人はどうしてなのかを

わかりにくく考えてみます。

 

スイングから来るスウェーはどのくらい?

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まずスイングからスウェーでは

どのくらい傾くのでしょうか?

 

予想してみましょう。

 

通常ですと30度くらいかな?

 

上手な人だと45度くらいまで行っているかも?

 

Youtubeなどで海外の人を見ると

90度くらいに見える人もいます。

 

物理の観点から見ると

振り子の運動は紐の長さのみに

関係して揺れ方が変わります。

 

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「…?何言ってんだお前?」

 

こう思った人もいると思います。

 

わからない人もいると思いますが、

我慢して待っててください。

 

まず上の式の文字について説明します。

 

T 周期 高いところから揺れてまた高いところまで来るのにかかる時間

π パイ(円周率) とりあえず決まった数字(3.1415…のやつ)

l 紐の長さ

g 重力加速度 とりあえず決まった数字(9.8…m/s^2のやつ)

 

ここからわかるのは揺れる周期、つまり高いところから高いところまでに

かかる時間は紐の長さだけによるということです。

 

ただ揺れる角度が大きくなると少しその角度も

関係していきますが、おおむね紐の長さで決まります。

 

ワルツで計算してみます。

 

ワルツは28BPMくらいなので

1小節はほぼ2秒です。

 

つまり周期が2秒ということです。

 

そうなると紐の長さは約1mとなります。

 

おとなの重心はほぼ腰くらいにあるので

頭から腰までがだいたい1mと考えると

自然なスイングだということがわかります。

 

小さい子たちが速くなってしまうのも

長さが短いためだということがわかります。

 

ではスウェーの角度はどうなるでしょうか?

 

角度の計算は大変難しいので

計算してくれるサイトを利用します。

 

振り子の周期 - 高精度計算サイト

 

これで計算すると揺れる時間(周期)が2秒の時

角度は10度くらいとなります。

 

1度から60度くらいまで角度を変えても

だいたい1.99秒〜2.14秒くらいなので

ほぼ同じようです。

 

90度までいくと2.36秒となり

3小節踊ると半分ずれてしまうので

音楽から遅れているのが見えるかもしれません。

 

ただ揺れが90度でも紐の長さが75cmの時は

ほとんど2秒となります。

 

つまり背の低い人はたくさんスウェーがかかるという

結論になりそうです。

 

これは僕も今初めて知りました。

 

背の高い人はスウェーを少なめに

背の低い人はスウェーを多めにすることで

2秒という時間でスイングできるということです。

 

う〜ん改めて計算すると意外な結果でした。

 

傾く角度はどのくらいが適切?

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ではだいたい1度〜60度くらいなら

ワルツの曲に合うことがわかりました。

 

でも実際どのくらいの角度になるのでしょうか?

 

角度によって変わるのは

ライズ&フォールです。

 

一番高いところと

一番低いところの差が

角度によって変わってきます。

 

もし振り子の長さが1mのとき

 

1度の時 0.0002m=0.02cm=0.2mm

30度の時 0.134m=13.4cm

45度の時 0.3m=30cm

60度の時 0.5m=50cm

90度の時 1m

 

ここから見ると軽く踊るなら30度くらい

ある程度勢いよく踊る人は45度くらい

すげー人は60度くらい問う感じでしょうか。

 

90度傾く人はフロアに激突しているということになります。

 

ちなみにそれぞれにスウェーから考える

速度は

 

mgh=1/2mv^2

 

つまり

gh=1/2v^2

v=√2gh

 

となります。

 

1度の時 0.0002m 0.062m/s(6.2cm/s)  

30度の時 0.134m    1.6m/s=3.8km/h 

45度の時 0.3m   2.4m/s=8.6km/h  

60度の時 0.5m   3.1m/s=11.2km/h 

90度の時 1m   4.4m/s=15.8km/h  

 

となります。

 

 

ナチュラルターンで移動できる距離は

だいたい2m~4mくらいだと思うので

30度から45度くらいが限界ということです。

 

 

大きなスウェーはなにもの?

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でも身長に関係なく

大きなスウェーで踊っている人はたくさんいます。

 

これはなぜでしょうか?

 

これはたぶん「スウェーに似た何か」を

使って踊っているのだと思います。

 

そのひとつが###スウェー(ブロークンスウェー)と呼ばれる

体の両脇を伸ばして行うスウェーです。

 

これは正確にいうとスウェーではなく

上半身の筋肉を使いホールドより上を傾けることで

大きな傾きを演出する技術だと思います。

 

振り子から来る純粋な傾きは

テクニカルスウェーまたは単にスウェーと言います。

 

このあたりの用語は教科書や教える人により違うので

気をつけてください。

 

今回の用語はWDSFの教科書を参考にしています。

 

腰の角度は変えないで体の真横を伸ばします。

 

反対側は縮みますが、積極的には縮めないで

伸ばす方を意識するのがいいと思います。

 

伸ばす時は真上に伸ばしてください。

 

曲げようとすると重心がずれて

倒れてしまいます。

 

こうすることで肩の位置を動かさないで

腕と頭を大きく左右に傾けることができます。

 

そとから見るとスウェーに見えますが、

重心の移動がないのでバランス良く傾ける音もいます。

 

通常のスウェーは体全体が傾くので

重心は傾いた方に少しずつ動きていきます。

 

これが次の動きへの準備になっているのですが、

あまり多いとブレーキが強かったり

次の動きへのエネルギーが大きすぎたりして

うまく踊れません。

 

そこで本当のスウェーは先ほど見たように

ある程度小さい角度しか傾かないということに

なるということです。

 

なので状況に応じてこの「スウェーに似た何か」をつけることで

より大きな動きと速度が出ているように見せることで

迫力のあるダンスを演出しているのだと思います。

 

そんなこと考えて踊ってるの?

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ここまで読んでくれた方

本当にありがとうございます。

 

みなさんこう思っていると思います。

 

「そんなこと考えて踊ってんの?」

 

もちろん!

 

考えていません。

 

頭おかしくなっちゃう。

 

でもこういうアプローチも面白いかなと思い

今回試しに計算してみただけです。

 

でもそこからの気づきや発見もありました。

 

みなさんもいろんな方向からダンスを見て

楽しんでみるのもいいと思います。

 

〜まとめ〜『スウェーの角度は意外と理にかなっていた。』

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